企業のホームページって安くありません。
そりゃもちろん内容やボリュームによりますけども、
中小企業の公式サイトであれば50万円かかる事なんてざらで、商品を売る為のサイトや資料請求をしてもらう為のサイトである場合は、100万以上かかる事も少なくありません。
ですから、少しでも安く抑えようとするのは当然の話で、その為にいろいろと工夫するのも当然のことだと思います。
ただ、工夫の仕方を間違え、初期費用の安さで選んで、安物買いの銭失いになってしまった企業様をこれまでたくさん見てきました。
という訳で、そのようなミスを犯さない為に注意すべき点を今回まとめてみました。
対象としたのは、ホームページやWEBマーケティングに詳しいスタッフが社内にいない企業様です。
「安い制作会社を選ぶときの5つの視点」
目次
1)目的・目標に合った企画提案があるか
2)ページ構成を丁寧に確認する
3)制約条件は問題ないか
4)月々の運営サポートのサービスがあるか
5)2年か3年の投資対効果で見る
1)目的・目標に合った企画提案があるか
貴社のホームぺージを作る目的と目標、更に伴って希望される条件を制作会社と共有できているかという点がまず最初にありますが、それが出来ているという前提で、それに沿った企画提案があるかどうかという点を見るようにしてください。
貴社が求める目標を達成して目的を果たす為の企画ではなく、サービスの紹介ばかりに終始する会社は候補から外しても良いと思います。
例えば、これからホームページを作ろう(もしくはリニューアルしよう)とする時に企画提案はそっちのけでSEOや広告提案ばかりしてきたり、簡単に更新が出来る仕組みばかり説明してきたりする会社ですね。
SEOや広告による集客と、簡単に更新できる仕組みはいずれも重要ですが、それはエンドユーザーが反応する企画及びページがあるという前提です。それがなければ、集めたお客候補はそのままザルを通り抜けていくだけです。
2)ページ構成を丁寧に確認する
企画提案時にページ構成案もご提案いただいている事は多いと思いますが、
まだであれば、見積り依頼と併せて、ページ構成案も出していただいてください。
そして、こちらがホームページで表現したい内容がそのページ構成で網羅されているか、そのページ構成が今回の目的・目標に照らし合わせて問題ないかという点を確認してください。
それが網羅されていない場合や、目標達成に向けたページ構成であるかが疑問である場合は、制作会社に相談し修正いただくようにしてください。
3)制作条件は問題ないか
これも企画提案時に説明がある事も多いかと思いますが、制作時の制約条件がないかという点を確認するようにしてください。
例えば、「デザインはテンプレートのデザイン案から選ぶ方式です」とか、「ページレイアウトはテンプレートから選ぶ方式です」とか、「レイアウトのこの部分はデザインが変更ができません」などです。
それが納得できない場合は候補から外しても良いかと思います。
いずれにせよ、デザインやレイアウトをテンプレートから選ばせる場合は、問題解決力が弱い場合も多いので注意が必要です。但し、デザインの修正回数を制限して、制作費を抑えている場合はまた別です。実績のサイトを見ながらそれらを担当者に解説いただき、その力を見極めてみてください。
4)月々の運営サポートのサービスがあるか
初期設計はもちろん、ホームページは作ってからが始まりですから、どのように運営していけば良いかという点をご提案いただける所、契約形態を柔軟に変更でき、長期的なお付き合いができそうな所を選ぶことをお勧めします。
まず契約形態として、初期契約は0円、でも5年縛りでパソコンやタブレットと一緒に毎月数万円のリース契約を結ぶという所ですね、このような会社は絶対にNGです。
5年先のWEB業界、5年先のホームページに求められるものなんて誰にもわかりませんから、5年縛りという時点でよくありませんが、そもそもこういう会社は運営サポートは何もしないというのが一般的なのでそういう点でも最も契約してはいけない会社と言えます。
次に、運営サポートを積極的にしてくれない所です。実績を元にした積極的な運営のご提案がない所、例えば「修正依頼をいただければこの費用で修正させていただきます」などという説明だけの所です。
実際に依頼するかどうかは別として、運営面で困るであろう様々な課題についてコンサルティングしてくれ、具体策を提示してくださる制作会社を選ぶことをお勧めします。
最初は運営の契約はしないという場合も、いざとなれば相談できて、スポットでも助けてくれるという会社が理想です。
5)2年か3年の投資対効果で見る
上記の全てがクリアされた上で、初期費用が一番安い会社ではなく、2年か3年運用した時点の投資対効果が最も高そうだと思える会社を選んでください。ホームページは単なるコストではなく、売上を上げる為の投資であり、自社の価値を高めるものと見なすべきです。
そういう点では長く付き合える担当者であるかという点も重要ですね。ここまで来ても、制作会社の担当者がどうしても嫌だという場合は、貴社の担当者を変えるのもひとつの策だと思いますが、それが出来ない場合や貴社の担当者を変えても、どうもうまくいかないという場合は、別の会社にするのが良いかもしれません。
以上、安物買いの銭失いのホームページ新規構築契約を避ける為の方法でした!
月別: 2019年6月
フリーランスのWEBデザイナーにホームページ制作を依頼するメリット・デメリット
ホームページを構築する上で、友人や知り合いのフリーランスのWEBデザイナーに依頼するかどうかを迷っているという場合も少なくないと思います。
今回は、そんな方の為に、フリーランスのWEBデザイナーにホームページ制作を依頼するメリット・デメリットと、実際に依頼しようとなった時の選び方のポイントについてまとめました!
目次
1)フリーランスのWEBデザイナーに依頼するメリット
2)フリーランスのWEBデザイナーに依頼するデメリット
3)フリーランスのWEBデザイナーを選ぶ3つのポイント
1)フリーランスのWEBデザイナーに依頼するメリット
[1]コストが安い
おそらくフリーランスの個人のWEBデザイナーに依頼する一番のメリットはコストだと思います。
制作会社に依頼すれば制作コストに加算されてしまう様々な間接費が、個人の方は非常に安く済みますので、その分制作コストが安くなるのは当然の事ですね。
[2]柔軟な対応、スピーディーな対応が可能
会社であれば、業務効率化やセキュリティ、利益確保の観点等からいろいろと決められたルールがあるもので、イレギュラー対応はできませんという場合もありますが、個人の方はその辺は非常に柔軟です。何かとルールを決めておられる方でも、その方の一存で柔軟な対応が可能というのは意外と助かるものです。人によっては、土日も夜も動いてくださるかもしれません。(※)
更に会社によっては、見積書やスケジュールについては、週1回開催される役員会に議題として上げ稟議を通さないと一切出せないという所もありますが、個人の方であれば、その場でわかる範囲でスケジュールを教えていただけたり、すぐに見積書を作成してくださるかもしれません。これも依頼する方としては早く動けるので助かるポイントですね。
2)フリーランスのWEBデザイナーに依頼するデメリット
[1]業務範囲に限界がある
そのWEBデザイナーの方がどこまでできるかによりますので一概に言えませんが、当然一人で出来ることには限界があります。
全部自分でやるという人の中にはデザインもコーディングもどちらもハイレベルでこなす人もいると思いますが、その二つは全く違うスキルですので、素人の方にはわからないものですが、往々にしてその中のどこかに綻びが出やすいものです。どちらも及第点という人は、例えば、企画、マーケティング、編集、SEO、運営サポート、その他コンサルティング等の部分にウィークポイントがある場合が多いと理解しておいてください。
依頼する案件の内容にも依りますが、その方のウィークポイントをカバーする体制を取らなければ大きな機会損失に繋がる恐れがあります。
[2]事業継続性のリスクが大きい
個人のWEBデザイナーの方に依頼するという事は、その方が病気で寝込んだり、怪我で入院したり、突然仕事に従事できない状況になった時に、仕事が止まってしまうリスクが大きいという事を意味します。
役割毎にフリーランスの方々でチームを組んで動いているという場合も、単なる外注先・取引先という関係の場合が多いので、そのWEBデザイナーの方が仮に倒れられても他の方がその責任を負ってくださる訳ではありません。事前にそれを見越した契約かバックアップ体制を取っておく必要があります。
3)フリーランスのWEBデザイナーを選ぶ3つのポイント
「メリット・デメリットはわかりました。それを踏まえて、フリーランスのWEBデザイナーに任せたいけど、誰に依頼していいかがわからないんです。」という声もあると思います。
だって、ネット検索したら本当にたくさんの方がヒットしますもんね。
はい、フリーランスのWEBデザイナーさんを選ぶポイントですが、絶対に確認しておいていただきたいのは下記の3つ。
[1]実績
まずは当然、過去の実績ですね。その中に貴社の作りたいホームページに近いものがあるかどうか。ポートフォリオの実績一覧でざーっと見るだけではなく、実際にそのホームページを訪れてみて、それが今どういう運営をされているかというのを見てください。更に、それを作った当初の目的や目標を聞いて、それが実現されているのかも確認してください。
ちなみに注意点として、実績一覧には名刺やパンフレット、チラシ、ポスターの実績も一緒に並んでいるかもしれませんが、そこは本当に参考程度に見ておき、ホームページの実績をもって判断するようにしてください。
[2]スキルと経歴
WEBデザイナーとしてのスキル、デザインセンスや導線の作り方などは実績で確認できれば理想ですが、それを見ても「ん~、パッと見はどれも良いけど、どれがベストなのかいまいちわからない」という事も多いと思います。これを見抜くにはある程度プロの視点も必要なので、難しいのは当然。そこで、経歴がひとつの参考となります。
WEBデザイナーという肩書でされている方の中には、グラフィックデザイナーとして印刷会社でキャリアをスタートさせて、WEBデザイナーに転身した方も少なくありません。そういう場合は、グラフィックデザイナー歴ではなく、WEBデザイナー歴が長い方を重視してください。
もちろん、WEBデザイナー歴が長くても小さい案件ばかり、もしくはテンプレートに従ったデザインばかりやってきた人は、スキルは低いままでしょうし、逆にWEBデザイナー歴が短くても、WEBの構造等をよく理解していてセンスもばっちりという人もいますが、グラフィックデザイナー歴が長ければ長い程、「WEBは弱いんです・・」という人が多い傾向にあります。
そして、「コーディングやプログラミングのスキル」ですね。全部その方が一人でされるのか、デザインはその方が担当するけど、コーディングやプログラミングは外注するのかを確認してください。
上記のデメリットの所でも述べましたが、全部自分でやるという人は本当にすごい人もいるでしょうが、要注意です。必ず出てくるウィークポイントを自社か別の方法で補完する事ができるかどうかが鍵となります。
逆に、コーディングは外注するという方、餅は餅屋という点では寧ろ目的に沿った良いものが出来る確率は上がるように思いますが、コーディングを担当する人とのコンビでの実績を見せてもらうようお願いしてください。これも当初の目的・目標とそれが実現できているかも聞くのが良いと思います。ちなみに、今回のコーダーさんは初めてご一緒するんですみたいなパターンは危険です。
更に、企画、マーケティング、編集、SEO、運営サポート等の部分はどなたが担当してくださるかも確認するようにしてください。案件の内容次第ではありますが、これらが不十分で、誰も責任を取らないようなチームだと結局失敗します。
[3]ワークスタイル
個人の方にお願いするという事は、その方が動いてくれなければ、仕事が止まるという事を意味します。私の知り合いのフリーランスのデザイナーの方は、年に数回、2週間前後の海外旅行に行きます。その方は、前後にスケジュールを完璧に割り振った上で出掛けていて、更に旅行先でも仕事の対応をしておられるのかもしれませんが、業務上長いブランクは困るという場合は事前に確認が必要です。
結論としては、Wix&Jimdoの記事でも書いた通り、一回作ったら基本触らないホームページとか、とりあえずブログを作りたいとかそういう場合は個人のWEBデザイナーにお願いするのも良いと思います。
ただ、ホームページから売上を上げていきたいとお考えで、着実に改善を重ねていきたいという方針であれば、最初から制作会社に依頼することをおすすめします。
以上、参考になりましたら幸いです!
※土日も夜も対応するかどうか、それは実際にフリーランスの方に意思決定権がありますのでそれ自体は問題ではありませんが、働き方改革関連法により改正された労働時間等設定改善法(平成4年 法律第90号)では、他の事業主との取引において、長時間労働につながる短納期発注や発注内容の頻繁な変更を行わないよう配慮することが、事業主の努力義務とされています。
つまり、発注側としては外注先に「長時間労働しなければ納品できないような発注」を行わないように注意しなけれなりません。
詳しくは首相官邸HPの「第8回中小企業・小規模事業者の長時間労働是正・生産性向上と人材確保に関するワーキンググループ議事次第」内のPDF等をご確認ください。
Wixやjimdo等のサービスでホームページを構築しても良い場合とは
ホームページ制作会社の選び方ではありませんが、しかもちょっと初歩的な内容になりますが、たまに「Wixやjimdo等のサービスを使ってHPを作るかどうか悩んでます」みたいな声をお聞きするので書いておきたいと思います。
個人事業主の方が、お金がないからとりあえずご自身でホームページを作られるというのはパターンとしてよくある話。
ある程度のデメリットは承知の上で、お金はないけど、時間はあるという人ならそれもいいと思います。
ただ、会社の場合、その選択肢を取っても良い場合はすごく限られると思っております。
まず、会社として使用するなら、独自ドメインを取得する事が大前提なので、有料プランにする必要があるという事は押さえてくださいね。
その上で、最初に「目的」を確認しなければなりません。
結論を言うと、名刺代わりにとりあえず情報を掲載したいという場合や、一度構築したら更新する必要は滅多にない、もしくはとりあえずブログだけほしいという場合は、そのようなサービスを使っても良いと思います。
そうでない場合は、使わない方が良いというのが私の意見です。
次に、誰に任せるか。
経営者であるあなた自身が全てやるのはまず、お勧めしません。
あなたか戦略的思考が出来るリーダーが全体設計を担当するのは必要ですが、実際の制作作業はデザインパーツを作るスキルがある人、細かい作業をマニュアル通り手順を追って進める事が得意な人に任せるようにしましょう。特に、細かい作業が得意な人がカギです。そういうタイプの人がいないと、ちょっとこれはやめた方がいいかもしれません。
最後に、意外と時間がかかるものとお考えください。
前項にも書きましたが、ホームページを構築する作業には様々な役割とスキルが必要ですので、それにふさわしい適任者がいなければ多くの時間を取られてしまう恐れがあります。
また仮に適任者が配置出来たとしても、本業を進めながら、初めて取り組む慣れない作業に従事するので、そう簡単に行かない事も多いと腹を括っておいてくだ
さい。
さて、いろいろと苦労したけど、ちゃんと納得できるホームページが出来たとしましょう。
でも、運営をその優秀な適任者だけに作業を任せていると、その人が忙しくなったり、病気で休んでしまったり、また辞めてしまったりすると、「誰もわかる人がいなくいなり、放置される」という状況になります。
(※実は今日打ち合わせに伺った企業様も、今や誰もわかる人がいないホームページをひとつお持ちでした!)
ホームページは会社の顔でもありますから、そのようなリスクある体制で管理する事は避けなければいけません。
では、外注しようという選択肢も考えたいところですが、
ここに書いたような無料のホームページ制作サービスは、(特に優秀な)制作会社やWEBデザイナーは対応していないことも多い為、頼れる人もなかなかいないという事態になりがちです。
更に、データのエクスポートやインポート機能がない、もしくは不十分である為、本当に一時凌ぎのような形であると考えておく事をおすすめします。
という訳で、結論。
いずれホームページから売上を上げていきたいというお考えであれば、それは作って終わりではなく、日々運営しながら改善してなんぼというものなので、プロの制作会社やWEBデザイナーが関わりにくいサービスを利用するのは微妙です。ビジネスステージが上がれば変えようという考えもありますが、機会費用の損失という観点からも、最初からそのようなサービスは敬遠した方が良いと思います。
但し、オンラインでの集客は必要としていない、もしくは自社でWEBツールを使った集客などが既に仕組み化できているか、これから外注せず、WEBプロモーション関連は全て自社で賄っていくという方針であれば、こういうサービスを使うのも良いと思います。
以上、参考になりましたら幸いです!